第6期講座

テーマ:
人はどこまで通じ合えるか
日程:
2006年10月7日〜2007年6月30日
会場:
PHP研究所
講義タイトル・日程 講師 書籍情報

講義録をもとにできた本の情報です。PHP研究所から刊行。

人間という生物の自由・不自由
 (1) 2006/10/7 (2) 10/21 (3) 11/11
池田清彦  
コミュニケーションの可能性
 (1) 2006/12/23 (2) 2007/1/6
正高信男  
日本語はどんな言語か
 (1) 2007/2/10 (2) 2/24 (3) 3/10
小池清治 PHP新書から刊行予定
日本人にとって宗教心とは何か
 (1) 2007/4/7 (2) 4/21 (3) 5/5
菅野覚明 PHP新書から刊行予定
言語はどうして可能なのか
 (1) 2007/5/19 (2) 6/2 (3) 6/16
永井 均  
シンポジウム
「昔はそんなによかったのか
─現代の社会不安を考える」

 2007/6/30
パネリスト
布施克彦、浜井浩一、滝川一廣、小浜逸郎
司会
沢辺 均(人間学アカデミー事務局長)

第六期ご挨拶

 二〇〇一年にスタートした思想講座「人間学アカデミー」は、ここに第六期を迎えることになりました。このたびは会場を麻布学園からPHP研究所に移し、新しい雰囲気のもとに再出発いたします。第五期までに参加してくださった受講生の皆さん、講義を快く引き受けてくださった講師の方々、また有形無形の支援を惜しまず提供してくださった麻布学園関係者その他の方々に厚く御礼申し上げます。講義の新書化も順調に進み、すでに第一期講義をもとにした本がちくま新書より五冊、第二期から第三期までの講義をもとにした本がPHP新書より四冊刊行されており、今後も続々と刊行される予定です。

  さて第六期では「人はどこまで通じ合えるか」をメインテーマとしたいと思います。

 現代の社会は、ますます複雑高度化しています。グローバリズムの進展によって、国際関係は、政治、経済、人的交流などの面できわめて錯綜したものとなりました。いま私たち日本人は、何らかの形で直接間接にこの大きな状況の変動に影響され、ひとりの社会人としての、また一国民としてのアイデンティティを揺さぶられていると考えられます。

 またインターネットや携帯電話などのコミュニケーションツールは急激に普及しましたが、これらによって、私たちの情報環境は一見便利この上ないものに進化したかのように見えます。しかしこの情報環境の変化が、人と人とが生身で接する生活の場面をより豊かなものにしたかといえば、どうもそうとは言いきれません。しなくてもよいはずの仕事の量は増え、人間関係はどことなくぎすぎすし、ゆっくり考えるゆとりを与えられず、不満やイライラや抑鬱感が募っていると感じられるのは、筆者だけでしょうか。ここらで少し日常時間を支配するスピードと強迫観念から離れ、人と人とが豊かに通じ合える可能性についてじっくりと追究してみる必要がありそうです。

 以上のような趣旨にもとづき、今回の講座では、生物学、行動学、国語学、日本倫理思想史、哲学の各分野でユニークな仕事をしてこられた講師の方たちをお招きして、人間一般の意志疎通性、及び日本人のエートスのあり方などについて考えてみたいと思いました。どうぞふるってご参加下さるようお願い申し上げます。

2006年6月
小浜逸郎