第8期講座
- テーマ:
- 近現代を問い直す
- 日程:
- 2008年9月20日~2009年7月4日
- 会場:
- PHP研究所・東京本部 6Fホール
| 講義タイトル・日程 | 講師 | |
|---|---|---|
| ■<日本語で考える>とはどういうことか (1) 2008/09/20 (2) 10/04 (3) 10/18 |
井崎正敏 | |
| ■正気と狂気の間 (1) 2008/11/15 (2) 12/06 (3) 12/20 |
春日武彦 | |
| ■現代社会批判を批判する (1) 2009/01/24 (2) 01/31 (3) 02/21 |
山形浩生 | |
| ■ポスト・ニヒリズム社会の展望 (1) 2009/03/14 (2) 03/28 (3) 04/04 |
佐伯啓思 | |
| ■福沢諭吉思想の現代的意義 (1) 2009/05/16 (2) 05/30 (3) 06/13 |
小浜逸郎 | |
| ■シンポジウム 「精神科医が診る、現代日本のうつろな気分」 2009/7/4 |
||
御挨拶
二〇〇一年にスタートした思想講座「人間学アカデミー」は、おかげさまでここに第八期を迎えることになりました。第七期までに参加してくださった受講生の皆さん、講義を快く引き受けてくださった講師の方々、また有形無形の支援を惜しまず提供してくださった方々に厚く御礼申し上げます。講義をもとにした本の出版も順調に進み、すでに第一期講義分がちくま新書より五冊、第二期から第五期までの講義分がPHP新書より五冊、第四期シンポジウムと第五期の講義分がポット出版より二冊、それぞれ刊行されており、今後も続々と刊行される予定です。
さて第八期では「近現代を問い直す」をメインテーマにしたいと思います。
私たちが「近代」という言葉を用いるとき、そこには、いくつもの含意がありますが、簡単に整理すると、政治原理としての自由平等と民主主義、経済原理としての成長する資本主義と豊かな都市社会、生活原理としての共同体から個人主義へ、などがキーワードとして浮かんできます。明治維新以来、日本が欧米に学びながら近代化の道を突き進み、アジアの中でいち早くこれを達成したことを否定する人は誰もいないでしょう。そのこと自体は素直に喜ぶべきことと私たちは考えます。
しかし、その急速なテンポや歴史的風土的性格のために、同じ近代化とはいっても、ヨーロッパやアメリカのそれとはかなり違った特性を具えたものとなったようです。そこには独特のひずみがあるともいえますし、他国にみられない利点があるともいえます。わが国では、近代化の急速な歩みが一段落してからすでに三十年以上を閲しており、いわば現代日本社会は、近代化達成後の爛熟と停滞の中におかれているといえそうです。そして、この爛熟と停滞という状態の中から、いくつかの現代に固有の困難も生まれてきているように思われます。
そこで、今期アカデミーでは、黒船以来百五十年あまりを経たこの時期に、そもそも近代とは何であったのか、その延長上で生じている現代日本固有の問題とは何かについて、さまざまな角度から問い直してみることにいたしました。講師には、気鋭の批評家、精神科医、社会評論家、文明史家の方たちをお招きしておりますので、必ずや活気あふれる思想交流の場が開けることと思います。どうぞふるってご参加くださるようお願い申し上げます。
二〇〇八年六月
小浜逸郎
